「スプーンを使いたがるけど、うまくできない」「こぼすから手伝いたくなる」——そんな時期、ありますよね。
でも実は、**スプーン練習の過程こそが大切な“発達の時間”**です。
この記事では、スプーンを使えるようになるまでに必要な発達のステップと、家庭でできる7つの練習方法を紹介します。
パパが関わることで、子どもの「自分でやりたい!」という力をぐんぐん伸ばすことができます。
スプーンが使えるようになるために必要な3つの力
スプーンを上手に使うためには、単なる「手の使い方」だけでなく、
目・脳・心の発達が複雑に関わっています。ここでは、特に大切な3つの力を紹介します。
手首・指の運動発達
スプーンを握る、すくう、口に運ぶ――この一連の動きは、手首と指の協調運動です。
特に「すくう」動作では、手首をひねる柔軟さや安定感が必要になります。
パパと一緒にスプーンを持って動かしてみたり、おままごとで「すくう」真似をしたりして、
遊びの中で自然に筋肉や動きを育てていきましょう。
目と手の協調(視覚運動協応)
スプーンで狙った食べ物をすくい、口に運ぶには「目と手のチームワーク」が不可欠。
この力は、積み木・ボール投げ・水遊びなどの経験を通して伸びていきます。
「ここに入れてみよう!」「よく見てすくえたね!」と声をかけることで、
子どもは自分の動きを意識しやすくなります。
集中力と自己調整
スプーン練習では、「こぼれる」「落ちる」「やり直す」の繰り返し。
その中で、失敗を受け止めて再チャレンジする“心の発達”が進みます。
少しずつ集中して取り組む時間が増えると、食事への意欲も育ちます。

スプーン練習7選(家庭でできる遊び+実践)
では、具体的にどんな練習をすればよいのでしょうか?
ここでは、日常に取り入れやすく、発達も促せる7つの練習方法を紹介します。
① 手づかみ食べからスタート
まずは「自分で食べる」意欲を育てましょう。
やわらかくて持ちやすい食材(おにぎり、野菜スティックなど)を使い、
“つかむ→口へ運ぶ”の一連の流れを経験します。
② 空のプレートで「すくう」練習
ごはんの時間でなくてもOK。
スプーンを持って空皿をすくうだけでも、手首のひねりや角度の感覚を掴めます。
砂遊びやおままごとでも効果的です。
③ 水あそびスプーン
お風呂やベランダで、水をすくって別の容器に移す遊び。
「うまく入った!」「こぼれた!」を繰り返す中で、バランス感覚と集中力が高まります。
④ おままごとスプーン練習
木製スプーンを使って「はい、どうぞ!」と渡し合うごっこ遊び。
模倣する力や、やりとりの楽しさを学びます。
⑤ ヨーグルト・スープで実践
最初はすくいやすいとろみのある食材を選びましょう。
液体より成功しやすく、「できた!」という成功体験を積み重ねられます。
⑥ パパと一緒に「すくって」食べる
パパが子どもの手に自分の手を重ねて「すくって、食べる」を一緒に。
動きを共有することで、子どもは“スプーンの使い方”を体感的に学びます。
⑦ 自分で選ばせてみる
スプーンの色・柄・素材を子どもに選ばせましょう。
自分で選んだ道具は、使う意欲を高めてくれます。
「今日はどれにする?」の一言で、主体性がぐっと育ちます。
パパが意識したいサポートのポイント
- 成功より「やろうとする気持ち」を褒める
- こぼれても叱らず「練習の証」と伝える
- 食事中は目を合わせて安心感を与える
- 「できたね!」より「がんばったね!」を大切にする
まとめ:スプーン練習は“食育”と“発達支援”の両輪
スプーン練習は「できる・できない」で判断するものではありません。
手の動き、集中力、意欲——それぞれの力が伸びていく過程を大切にしましょう。
パパの見守りと励ましが、
「食べる力」だけでなく「生きる力」を育てていきます。

